存在
不安でしょうがないとき
怖くて眠れないとき
いつも僕は押入れに入った
押入れから見る僕の部屋は
いるはずの僕がそこにいない部屋に変わる
押入れはとても暖かくて、君が好きな理由も分かってくる
僕は社会に存在しなくて、
深い森に身を隠してしまったような
非現実的な錯覚に襲われる
僕は、僕の存在しない空間を作って僕を何度も救った
僕に、僕は存在しないと言い聞かせ、僕を安心させた
そして、
君が僕を覚えていると安心させた
僕は、安心して君と共に眠りに落ちる
社会に捨てられた小さな君と社会を捨てた僕
僕たちはお互いの存在を何度も拾いあう